ミカゲの経済日記

ミカゲの経済ブログです。日本企業の業績推移などをまとめています。

ローソンの業績推移と配当推移

ローソンはコンビニ大手三社の一つで、2020年現在全国に14444店舗、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、ハワイに2918店舗を展開しています。今回はそんなローソンの業績、キャッシュフロー、配当の推移10年分をグラフにしてまとめてみました。

 

まずは業績推移から。

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営業総収入は2014年から年々上昇しており、安定して成長しているようにも見えますが、営業利益は2016年まで上昇したのち、2019年まで減少。経常利益は2017年をピークに4年連続減少。当期純利益も同様に2017年から4年連続減少と、ここ10年で増収を遂げているものの、利益に関しては減益傾向となっています。続いてはキャッシュフロー

 

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営業キャッシュフローは10年間総じてプラスです。営業キャッシュフローがプラスの場合、事業によって問題なくお金が獲得できている状態であることを意味しているので、ローソンはこの10年問題なく事業運営によってキャッシュを獲得してきたといえます。

 

投資キャッシュフローはプラスなら保有している設備や株などを売却したことを指し、マイナスであれば設備や株に投資したことを表します。そのためマイナス=ダメというわけではありません。ローソンのキャッシュフローは10年総じてマイナスとなっているので、ローソンはこれまで新店舗や株式などに継続的に投資してきたといえます。

 

財務キャッシュフローはプラスであれば資金を調達、マイナスであれば返済を意味します。ローソンは2018年までは借入金の返済などのために財務キャッシュフローがマイナスとなっていましたが、2019年は大幅なプラスとなっています。ローソンはこの時長期借入金を2600億円調達しており、急激なプラスはこれが原因だと考えられます。

 

営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがプラスといった状態は、事業を拡大しようとしている企業によくみられるので、2019年時のローソンは大幅な事業拡大を行おうとしていたと考えられます。

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最後に配当金です。配当金は2018年までの7期は増配を続けていました。しかし2019年に配当金額を据え置き、その後2020年に大幅な減配となっています。また2018年と2019年の配当性向に注目してみると、配当性向が95%超と非常に高い水準になっていたことが分かります。

 

この配当性向が急激に高くなった2018年から減配した2020年は、配当原資である当期純利益が連続して減少していた年でもあります。この純利益の連続減益と高水準の配当性向、そして配当据え置きからの大幅減配というのは先日話題になったJTの減配と類似しています。配当を重視される方はやはり配当性向と純利益の動向を注視する必要があるといえそうです。

 

ローソンは安定して増収を遂げているものの、やはり減益傾向が連続して続いているのがやや不穏な点といったところでしょうか。店舗展開だけでは利益追求が難しくなってきたコンビニ業界。今後のローソンがどのような戦略を立てていくかが注目されます。