ミカゲの経済日記

ミカゲの経済ブログです。日本企業の業績推移などをまとめています。

よみうりランド(9671)の業績推移

よみうりランドは、読売グループ傘下で「よみうりランド」を始めゴルフ場、競馬場などを運営している企業です。業種はサービス業です。よみうりランドのこの10年の業績は次のようになっています(百万円以下切り捨て)。

 

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売上高は微減微増を繰り返しつつも10年で約70億円の増収という結果となっています。営業利益は2014年から2017年は利益が伸び悩みつつあるように見受けられますが、最終的にこの10年で約11.5億円の増益。

 

経常利益は営業利益と似たように2014年から2017年あたりにかけてやや減益傾向に転じますが、この10年では約12.5億円の増益です。純利益は2013年にマイナスに(固定資産であるゴルフ場の減損損失が要因)転じますが、その後は回復し2017年に大幅に増加。ただそこからは4年連続で減益となっています。

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営業キャッシュフローはこの10年を通してプラスを維持しており、問題なく事業で資金を獲得できていることが分かります。投資キャッシュフローはこの10年のうち2015年と2016年が突出していますが、これはどちらも固定資産の取得による支出が主な要因です。

 

また2018年も固定資産を取得してはいるものの、同時に固定資産を売却しており、その収益がこの年のキャッシュフローで大きな割合を占めていたため、数字が小さくなっています。

 

財務キャッシュフローは2015年と2016年に大幅なプラスとなっています。どちらも短期、長期借入金の借り入れが主な要因です。そのほかの年は借入金の返済や配当金支払いによる支出が収入を上回り、マイナスとなっています。

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配当金はこの10年増配することはなく、(2016年は記念配当)1株当たり5円で推移しています。(2017年10月からよみうりランドは10株につき1株の株式併合を行っているので、実際は2019年3月期以降1株当たり配当は50円となっていますが、今回のグラフでは2019年3月期以降も2018年3月期以前の1株を基準としてグラフを作成しています。)

 

配当性向は10%から30%前後で推移しています。よみうりランドは上記のグラフを見ても、配当による株主還元にはあまり積極的ではないように思われますが、2013年に赤字になった際は減配することなく配当を維持しているので、消極的とも言えなさそうです。

 

しかし配当性向も安全圏で減配もこの10年間一度もないとはいえ、配当原資である純利益の連続減益や株主優待の2020年度限りでの廃止など、株主還元に不穏な空気が漂い始めているように見受けられます。

 

よみうりランドの今後の動向にも注目していこうと思います。