ミカゲの経済日記

ミカゲの経済ブログです。日本企業の業績推移などをまとめています。

メガバンクの業績推移 5期の決算比較 みずほ 三菱UFJ 三井住友

 今回はメガバンク3社5期分の業績推移です。まずは売上高、営業利益、純利益5期分です。

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 メガバンクの業績5期分を並べてみると3社とも似たように推移していますが、規模で言えば三菱UFJが頭1つ抜けています。それに三井住友、みずほが追随するといった形です。

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 経常利益率を見てみると5期を通して三井住友がトップ。効率的な利益追求といった点では三井住友に軍配が上がるようです。2019年のみずほの落ち込みが少し気なります。続いては配当と配当性向です。

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三井住友と三菱UFJは増配傾向にありますが、みずほに関しては大幅な増配をしたのではなく株式併合による影響です。過去4期を見ても増配の傾向はみられません。配当性向に注目してみると、3社とも配当性向が100%を超える年がありますが、みずほの配当性向500%超えには圧倒されます。

 

 

この5期の配当性向平均は、みずほが165.8%、三井住友が67.5%、三菱UFJが90.9%となっています。100%以上の突出した期を除いた平均は、みずほが67.4%、三井住友が58.3%、三菱UFJが62.3%と、どちらもみずほ、三菱UFJ、三井住友の順に配当性向が高いことが分かります。

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最後はメガバンク3社の5期従業員数推移です。三菱UFJと三井住友が増加傾向であるのに対し、みずほだけが減少傾向という点が少し気なりました。3社の中で頭1つ抜けた売り上げ規模を誇る三菱UFJ、経営の効率性の三井住友、2社に比べてやや存在感に陰りの見えるみずほ。今後もメガバンクの動向に注目していきたいと思います。

ソニー(6758)の業績推移 

 今回はソニーグループの業績推移5期を大まかなグラフにしてみました。以前までは10期の業績推移をグラフにしていましたが、10期をグラフにすると1つ1つのグラフが小さすぎて見にくくなっていたため、今回からは5期までをグラフとすることにしました。まずは売上高、営業利益、当期純利益です。(百万円以下切り捨て)

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 売上高は2019年に一度減収となっていますが、2016年の7.6兆円から2020年には8.9兆円と1.3兆円の増収となっています。営業利益、当期純利益も売上高と同様に2019年に一旦減益、5期全体では大幅な増益となっています。また、営業利益を当期純利益が上回っている年がありますが、主な要因として受取利息、配当金、持分証券に関する利益などが挙げられます。

 

 

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 営業利益率は2018年から10%の水準を維持しています。2016年のみ3.79%と低水準となっていますが、5期全体を通して効率的な利益追求がなされているといえそうです。

 

 

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 営業キャッシュフローは5期連続で増加しており、安定して本業により現金が流入していることが分かります。投資キャッシュフローは5期共にマイナス。企業運営において積極的に投資活動を行っています。財務キャッシュフローは2016、2017、2019、2020はプラス、つまり株式、借入金を通して資金を調達しています。2018年はマイナスになっているので、調達した資金の返済が調達を上回ったことが分かります。

 

 

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  配当は5期連続の増配です。株主からすれば増配はうれしいことだと思いますが、現在の株価は1万円を超えており、利回りは0.5%程度と少し物足りない気はします。一方配当性向は2018年に291%と稼いだ利益を大きく超えて配当を出していることを除けば、14%~35%程度と安定した水準であることが分かります。しかし今後2018年の様な100%を超えるようなことが繰り返される場合、減配などもあり得るかもしれません。

江崎グリコ、明治、カルビーの業績比較 売上高から平均年収まで

 今回は製菓メーカー三社の業績比較です。業績のほかに売上高増加率、営業利益率、1株当たり配当推移、平均給与推移も調べてみました。まずは3社の10期の業績をご覧ください。

 

 

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 江崎グリコは2011年3月期から8期連続の増収。2019年からは3月期から12月期に決算月が移行しているので、その影響もあってか一時的に減収減益となっています。営業利益や純利益を見ると、3期減益して4期増益、そしてまた3期減益と、利益に増減の波があるように思われます。

 

 

 明治は売上高は増減がありつつもこの10期は安定して推移しています。一方営業利益は9期連続増益、2012年から2020年にかけて約5倍になっています。売上高に大幅な変化がないことから、明治はこの10期で売上の底上げというより、効率的な企業運営に力を入れてきたと推測できます。

 

 

 カルビーは非常にきれいな7期連続の増収グラフとなっており、その後は売上高、利益共にほぼ横ばいで推移という形になっています。売上高の数字からみても3社の中で最も小さいため、江崎グリコ、明治よりも成長余剰があったのであろうと考えています。

 

 

続いては売上高増加率、営業利益率といった点で比較をしてみたいと思います。

 

 

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 売上高増加率に関しては江崎グリコは2014年の急激な増加、決算期の変更に伴う2019,20年の急激な乱高下を除けば、0.06~7.6%辺りで推移。波があるとはいえ、概ね売上高増加率はプラスとなっています。

 

 

 明治は最も緩やかなグラフで、2012、2018、2020年の3期のマイナスを除けば0~5%で推移。2015年から2018年の増加率の増減が江崎グリコとかなり似通っています。カルビーも減少2016年から2018年にかけて2社と同じく下降をたどっています。製菓業界でこの3期の間に売上高の増加率を鈍化させる出来事があったのではないかとも思いましたが、特段大きな出来事は有価証券報告書には記されていませんでした。

 

 カルビーは2013年から2016年の売上高増加率が10%前後で推移しており、2社と比べてかなり高い成長率であったことが分かります。その後は増加率の落ち込みが目立つも2020年に持ち直しています。

 

 

 営業利益率に関しては、カルビーが最も高く、2016、2017をピークに利益率の上昇は陰りを見せていますが、10%を維持しています。明治は2012年から9期連続で営業利益率が向上しており、カルビーとの差を縮めつつあります。一方江崎グリコは2017年までは順調に利益率が向上していたものの、2017年をピークに利益率が低下傾向にあり、2社との差が開きつつあります。

 

 

 最後に配当、給与面での比較です。

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 棒グラフが1株当たり配当、折れ線が配当性向(%)を表します。また数字が多くややこしいので、配当性向を表す数字は各グラフの色で枠を塗りつぶしておきました。

 

 

 

 江崎グリコは15円から始まり、連続ではないものの、この10期で1株当たり配当は4倍に、配当性向は2012年の61.7%をピークに低下傾向でしたが、2016年からは年々上昇しています。

 

 

 明治は4期の配当据え置き、2016年の減配などがあるものの、全体としてはこの10期では1株当たり配当は1.87倍に、しかし配当性向に着目すると、2011年は475.3%、2017年から2020年も4期連続で100%を超えています。配当性向が100%を超えるということは、その決算期に稼いだ利益を超過して配当を行っているということなので、あまり良い状況だとは言えません。

 

 

 カルビーはこの10期における配当の増加が著しく、10期で約7倍となっています。配当性向も増加傾向にありますが、40%代とまだまだ配当余力はありそうです。最後は平均給与。

 

(平均年間給与の隣に百万とありますが(万)の間違いです。)

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 江崎グリコは増減を繰り返し、2018年の836万をピークに2020年までに約40万円減少。明治は2015年の946万を底に1度減少に転じるも、2020年に9期ぶりの1000万円代の大台に乗りました。カルビーは2017年まで連続で増加していましたが、その後連続で減少しています。

 

 

 





 

 

 

三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)の業績推移【8306】

 三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は三井住友、みずほで構成されるメガバンクの一角であり、国内最大の金融グループです。MUFGの2011年3月期から2020年3月期の業績は以下のようになっています。(100万円以下切り捨て)

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  2011年3月期は、連結業務粗利益の778億円の減益があったものの、営業費の639億円の削減や、企業倒産の減少による貸倒引当金繰入額の減少などの結果、経常利益は18.5%の増加、当期純利益は50%の増加。

 

 2012年3月期は、前年度同様の営業費の削減(263億円)、貸倒引当金戻入益の計上、貸出金償却の減少による与信関係費用総額の改善(1606億円)などによって経常利益は127.7%、当期純利益は68.3%の増加。

 

 2013年3月期は、営業費は海外事業への注力などにより1004億円の増加。貸出金償却、個別貸倒引当金繰入額の減少により与信関係費用総額は778億円の改善、株式関係損益も350億円の改善となったものの、経常利益は8.7%、当期純利益は13.1%の減少に。

 

 2014年3月期は、与信関係費用総額の1275億円の改善、株式等関係損益の1982億円の改善、海外貸出収益の伸長、運用商品、投資銀行業務などの役務取引等利益、セールス、トレーディング収益の増加などにより、経常利益は26.1%、当期純利益は15.5%の増加。

 

 2015年3月期は、営業費の2947億円の増加や国内預貸金収益の減少があったものの、海外貸出収益の増加、運用商品販売、投資銀行業務の伸長などにより、経常利益は1.1%、当期純利益は5.0%の増加。

 

 2016年3月期は、海外子会社などの収益の伸長がみられたものの、円高の進行、国内預貸金収益の減少、貸倒引当金の増加、営業費の増加などにより、経常利益は10.1%、当期純利益は8.0%の減少。

 

 2017年3月期は、海外の預貸金収益、手数料収益は堅調だったものの、国内の預貸金収益、運用商品販売、債券関係損益などが減少、低迷、また退職給付費用の増加などによる臨時損益も発生したことから、経常利益は11.6%、当期純利益は2.6%の減少。

 

 2018年3月期は、国内の預貸金収益、債券利息などが減少したものの、貸倒引当金繰入額の減少や利息返還損失引当金繰り入れの剥落により、与信関係費用、臨時損益が改善された結果、経常利益は7.5%、当期純利益は6.8%の増加。

 

 2019年3月期は、外貨預貸金収益が増加したものの、市場関連収益が減少、また営業費の増加やクレジットカード子会社における利息返還損失引当金の繰入が主因の臨時損益の悪化などにより、経常利益は7.8%、当期純利益は11.8%の減少。

 

 2020年3月期は、国債等債券関係損益、海外出資先の新規連結化による役務取引等利益が増加したものの、新型コロナウイルスの影響による貸倒引当金の計上などにより与信関係費用が大幅に悪化し、経常利益は8.3%、当期純利益は39.5%の減少。

 

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 各キャッシュフローについては上記の通り。2013~2015年は営業キャッシュフローがマイナスに。これは主に預け金の減少や貸出金の減少が関与しているとみられます。

 

 投資キャッシュフローは2011,2012,2018~2020年は有価証券の取得による支出などによりマイナスですが2013~2017年はプラスに。2013年のプラス要因は有価証券の償還による収入、有形固定資産の売却にによる収入、事業譲受、事業譲渡による収入など、

 

 2014年は有価証券の償還による収入、金銭の信託の減少による収入、有形固定資産売却による収入など、2015年は有価証券の売却による収入連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入など、

 

 2016年は金銭の信託の減少による収入、有価証券の売却による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入など、2017年は無形固定資産の売却による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入などがプラス要因として考えられます。

 

 財務キャッシュフローは2011年から2020年まで一貫してマイナスで推移。これは劣後特約付借入金の返済による支出や劣後特約付社債及び新株予約権社債の償還による支出、配当金の支払いなどが要因として挙げられると思います。

 

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 配当金は連続ではないものの、増配傾向にあり、配当性向もコロナの影響で大幅な減益となった2020年を除けば20~30%前後で推移。今後の増配も期待できるかもしれません。 

新生銀行(8303)の業績推移

 


 新生銀行は、2000年6月に日本長期信用銀行から名称変更して生まれた銀行で、カードローンサービスブランド「レイク」などで知られています。新生銀行の2011年3月期から2020年3月期までの業績は以下のようになっています。

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  2011年3月期は、東日本大震災の影響による貸倒引当金の計上などを行ったが、各業務部門の経費削減を始めとする収益力安定政策が功を奏し、赤字となっていた2010年度から一転黒字復帰を果たしました。

 

 2012年3月期は、経常利益31.5%減、当期純利益84.9%減と大幅な減少となったが、これは優先出資証券や劣後債の消却益などの非経常的な利益を多額に計上した前年度との比較のためによるもので、会社にとっては想定範囲内の数字だった模様。

 

 2013年3月期は、顧客基盤の拡充や与信管理強化といった収益力の安定、向上化に向けた努力により、経常利益は225.3%、当期純利益は694.3%と大幅な増加。

 

   2014年3月期は、法人部門、個人部門の住宅ローンや投資商品の販売は堅調であったものの、金融商品部門の市場関連取引の収益の伸び悩みや、前年度の様な大口の消却債券取立益が無くなったことを受けて、経常利益、当期純利益共に19.0%の減少。

 

 2015年3月期は、貸倒引当金取崩益や大口の有価証券配当収入の計上、コンシューマーファイナンス業務の堅調な割賦収益などによって、経常利益は65.5%、当期純利益は64.0%と大幅に増加。

 

 2016年3月期は、コンシューマーファイナンス業務が貸出金増加によって収益を伸ばす一方、大幅な市場変動の影響を受けて金融市場部門が減益。その結果経常利益は15.0%、当期純利益は10.2%の減少。

 

 2017年3月期は、ストラクチャードファイナンス(不動産の流動化や証券化などを利用した資金調達の手法)業務などの手数料収益の伸長や、大口の有価証券売却益の計上などがあったものの、資産運用商品の販売苦戦や業務基盤拡充による人件費や物件費といった経費の増加によって、経常利益は23.4%、当期純利益は16.7%の減少。

 

 2018年3月期は、顧客基盤の拡充や収益力強化に向けた取り組みが功を奏し、金融市場業務やレイクを始めとしたコンシューマーファイナンス業務などが好調に推移し、経常利益は19.5%、当期純利益は1.3%の増加。

 

 2019年3月期は、ストラクチャードファイナンス業務やリテールバンキング業務で収益の伸長がみられたものの、前年度計上されていた保有株式売却益がなくなったことや、生産性改革のための新基幹システム稼働による経費が増加したこともあり、経常利益は2.5%と微減、当期純利益は1.8%の微増。

 

 2020年3月期は、ストラクチャードファイナンス業務、リテールバンキング業務の収益は増加したものの、新型コロナウイルスの影響による貸出先の業績悪化に備えた貸倒引当金の積み増しや、子会社買収、グループ拠点再編に関わる経費も増加したことにより、経常利益は7.9%、当期純利益は12.9%の減少。

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   2011、2013、2014、2016~2020の営業キャッシュフローは、資金運用や借入金の増加などによってプラスに、2012年は借用金、預金の減少で、2015年は預金、債券貸借取引受入担保金等の減少によりマイナスに。

 

 2012~2017、2020年の投資キャッシュフローは有価証券の売却、償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ってプラスに。2011年は逆に有価証券の取得が売却、償還の収入を上回って、2018、2019年はそれに加えシステム開発や事業譲受による支出が重なりマイナスに。

 

 財務キャッシュフローは、すべての年で劣後特約付借入金の返済、配当金支払、劣後特約付社債の償還、自己株式の取得などによる支出によってマイナスに。

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 配当金は増配も減配もすることなく、1株当たり配当金は1円で推移。(2017年度から株式併合を行っていますが、併合前までの1株を基準としてグラフを作っています。)

 

 配当性向は2012年度が突出して高くなっているものの、それ以外は4、5%辺りで推移。

 

 

グリーンランドリゾート(9656)の業績推移

 グリーンランドリゾート熊本県に本社を構え、九州を中心に遊園地、ホテル、ゴルフ場などを経営している企業です。グリーンランドリゾートの2011年12月期から2020年12月期の業績は以下のようになっています(100万以下切り捨て)。

 

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 2011年12月期は、1月の寒波による降雪、東日本大震災などのグループ事業に対する悪影響となる要因が数多く重なり、営業利益は前年同期比42%の減少、当期純利益は52.1%の減少と大打撃を受けた。

 

 2012年12月期は、北海道での豪雪、九州での豪雨といった気候の影響を受けたとはいえ、東日本大震災によって減少気味であった個人消費が回復し、遊園地などの集客も順調に推移。その結果営業利益は58.5%の増加、当期純利益は122.4%の増加と大幅な回復を達成。

 

 2013年12月期は、春休みやゴールデンウィークの繁忙期の好天や、安倍政権の経済政策や株価上昇による景気回復への期待感から個人消費意欲も刺激され、遊園地事業が好調に。その結果営業利益は33.6%の増加、当期純利益も50.7%の増加と前期同様の増益を記録。

 

 2014年12月期は、北海道の遊園地、ホテルは堅調に推移したが、主力の九州の遊園地、ホテルは繁忙期の悪天候や夏の長雨、台風に見舞われたことにより、営業利益は32.6%の減少、当期純利益は10.6%の減少となった。

 

 2015年12月期は、夏休みやシルバーウィークなどの繁忙日の集客施策や、海外顧客の取り込みが好調だったことにより、営業利益は105.2%の増加、当期純利益は63.7%の増加となり、前期から大幅に回復した。

 

 2016年12月期は、4月に発生した熊本地震の影響を受け、九州の遊園地、ゴルフ場、ホテルは利用者数が大きく減少。北海道の施設も8月の台風により利用者数が減少。その後客足は戻ったものの、業績は営業利益は48.4%減少、当期純利益は49.3%減少となった。

 

 2017年12月期は、前年度の熊本地震の影響も解消され、九州の遊園地やゴルフ場事業も好調に。またバイオマス火力発電所への燃料投入業務の受託といった新たな事業も収益の底上げに貢献し、営業利益は72.9%増加、当期純利益は88.1%増加となった。

 

 2018年12月期は、九州の遊園地が舞台の映画「オズランド」の公開が追い風となり、九州の遊園地事業は好調に推移。北海道での事業は台風、北海道胆振東部地震の影響を受け低調に推移したものの、バイオマス火力発電所への燃料投入業務や客土用土の販売などがグループの業績を押し上げることとなり、営業利益は26.9%増加、当期純利益は12.6%増加となった。

 

 2019年12月期は、新元号制定に伴い過去最長となったゴールデンウィークが追い風となり、九州の遊園地、ゴルフ場、そして北海道の遊園地も利用者数が増加。バイオマス火力発電所への燃料投入業務などの土木・建設資材事業も好調に推移し、営業利益は21.2%増加、当期純利益は28.3%増加となった。

 

 2020年12月期は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令による臨時休業や、7月の豪雨、9月の大型台風などの自然災害の影響も受け、グループ全体の業績は売上高は44.8%とほぼ半減。営業利益は-461百万円、当期純利益は-633百万円と赤字転落となった。

 

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  営業キャッシュフローは、2011年12月期から2019年12月期にかけて税金等調整前当期純利益減価償却費などによりプラスで推移。2020年12月期は税金等調整前当期純損失によってマイナスに。

 

 投資キャッシュフローは、2011年12月期から2017年12月期、2020年12月期は有形固定資産の取得、2018年12月期と2019年12月期は有形固定資産の取得と無形固定資産の取得によってマイナスで推移。

 

 財務キャッシュフローは、2011年12月期から2015年12月期長期預り金の返還や、長期借入金の返済などによりマイナスに、2016年12月期は長期借入による収入によりプラスに、2017年12月期から2019年12月期は長期借入金の返済、社債の償還などによりマイナスに、2020年12月期は長期借入金、短期借入金の増加によりプラスとなった。

 

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  配当金は2015年12月期までは上下しているものの、2016年から19年にかけては4期連続増配。2020年12月期は赤字転落に陥ったこともあってか無配に。

 

  配当性向は2011年12月期が比較的高い水準となっていることを除けば、40~60%あたりで推移。

 

  参考資料・https://www.greenland.co.jp/ir/financialreport.htm

伊豆シャボテンリゾート(6819)の業績推移

 伊豆シャボテンリゾートは伊豆シャボテン動物公園、伊豆ぐらんぐらんぱる公園などのレジャー施設の運営を中核事業として行っている企業です。その他事業は株式会社FLACOCOによるCM制作など。2011年3月期から2020年3月期の10期の業績推移は以下のようになっています。(百万円以下切り捨て)

 

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2011年3月期は東日本大震災による影響を大きく受け赤字に、FLACOCOによるCM制作の売り上げも半減。2012年3月期は東日本大震災によるレジャー自粛ムードが緩和され、入園者数、売上は震災前と同水準まで回復。

 

2013年3月期はグループ組織再編や固定費の削減などの経営改善に取り組み、その結果営業利益は7年ぶりの黒字転換を果たし、純利益も12年ぶりの2期連続黒字達成。

 

2014年3月期は引き続き施設のブランディングや経費削減を行い、売上向上施策に注力。映像音盤関連事業ではCMの受注制作を継続しつつ、新規事業であるキャラクタービジネスの開発にも注力。その結果営業利益は前期比154%の増益を達成。

 

2015年3月期は経営陣の刷新による経営体制の強化やレジャー施設のリニューアル、新施設の導入などが功を奏し、売上高は18.4%増収、営業利益は109.2%増益を達成。

 

2016年3月期はイルミネーション「グランイルミ」や、ワオキツネザルなどの動物を新たに導入し、公園内のバリエーションの多様化を実現させ、営業利益前期比490.8%という大幅な増益を達成。

 

2017年3月期は前期に続いてオグロマーモセットやショウガラゴといった新たな動物の導入や、既存の動物の繁殖にも注力。またVRなどの先端技術を用いたアトラクションの導入なども行い、業績も前期比6.3%の増収、33.7%の増益と順調に推移。

 

2018年3月期は雇用状況の改善や個人消費が上昇したこともあってか業績も5.2%の増収、5.7%の増益と安定して推移。経営戦略も今までと同様施設の新設やイベントの拡充が中心。

 

2019年3月期は雇用状況、個人消費は前期の回復傾向を継続したものの、台風や猛暑などの自然災害、人件費の上昇などの影響を受けてか前期比0.5%の減収、7.1%の減益に転じた。

 

2020年3月期は前期同様台風による自然災害の影響や、新型コロナウイルスの流行なども重なり、先行きが非常に厳しい状況に。主要施設の入場者も減少し、前期比4.7%の減収、営業利益は前期比26.7%減と大幅に減益。

 

続いてはキャッシュフロー

 

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  営業キャッシュフローの2011年3月期は税金等調整前当期純損失、2014年3月期は流動負債の減少でマイナスに、その他の年は税金等調整前当期純利益減価償却費の獲得、偶発損失引当金などによりプラスで推移。

 

 投資キャッシュフローは全ての年で有形固定資産の取得による支出の影響を受けマイナスで推移。

 

 財務キャッシュフローの2011年3月期は短期借入金の増加、長期借入れによる収入、2012年3月期は短期借入金の増加、2014、2015年3月期は株式の発行の影響を受けてプラスに。

 

 その他の年は2013年3月期は短期借入金の減少の影響を受けてのマイナスだと判明しているものの、2016年3月期以降は決算短信にその他の支出としか記載されていなかったため不明。

 

 *伊豆シャボテンリゾートの配当と配当性向のグラフについてはこの10期の間に配当を出していないため、データがありません。

 

 ・参考資料 http://www.izu-sr.co.jp/ir/ir-accounts.php