ミカゲの経済日記

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三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)の業績推移【8306】

 三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は三井住友、みずほで構成されるメガバンクの一角であり、国内最大の金融グループです。MUFGの2011年3月期から2020年3月期の業績は以下のようになっています。(100万円以下切り捨て)

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  2011年3月期は、連結業務粗利益の778億円の減益があったものの、営業費の639億円の削減や、企業倒産の減少による貸倒引当金繰入額の減少などの結果、経常利益は18.5%の増加、当期純利益は50%の増加。

 

 2012年3月期は、前年度同様の営業費の削減(263億円)、貸倒引当金戻入益の計上、貸出金償却の減少による与信関係費用総額の改善(1606億円)などによって経常利益は127.7%、当期純利益は68.3%の増加。

 

 2013年3月期は、営業費は海外事業への注力などにより1004億円の増加。貸出金償却、個別貸倒引当金繰入額の減少により与信関係費用総額は778億円の改善、株式関係損益も350億円の改善となったものの、経常利益は8.7%、当期純利益は13.1%の減少に。

 

 2014年3月期は、与信関係費用総額の1275億円の改善、株式等関係損益の1982億円の改善、海外貸出収益の伸長、運用商品、投資銀行業務などの役務取引等利益、セールス、トレーディング収益の増加などにより、経常利益は26.1%、当期純利益は15.5%の増加。

 

 2015年3月期は、営業費の2947億円の増加や国内預貸金収益の減少があったものの、海外貸出収益の増加、運用商品販売、投資銀行業務の伸長などにより、経常利益は1.1%、当期純利益は5.0%の増加。

 

 2016年3月期は、海外子会社などの収益の伸長がみられたものの、円高の進行、国内預貸金収益の減少、貸倒引当金の増加、営業費の増加などにより、経常利益は10.1%、当期純利益は8.0%の減少。

 

 2017年3月期は、海外の預貸金収益、手数料収益は堅調だったものの、国内の預貸金収益、運用商品販売、債券関係損益などが減少、低迷、また退職給付費用の増加などによる臨時損益も発生したことから、経常利益は11.6%、当期純利益は2.6%の減少。

 

 2018年3月期は、国内の預貸金収益、債券利息などが減少したものの、貸倒引当金繰入額の減少や利息返還損失引当金繰り入れの剥落により、与信関係費用、臨時損益が改善された結果、経常利益は7.5%、当期純利益は6.8%の増加。

 

 2019年3月期は、外貨預貸金収益が増加したものの、市場関連収益が減少、また営業費の増加やクレジットカード子会社における利息返還損失引当金の繰入が主因の臨時損益の悪化などにより、経常利益は7.8%、当期純利益は11.8%の減少。

 

 2020年3月期は、国債等債券関係損益、海外出資先の新規連結化による役務取引等利益が増加したものの、新型コロナウイルスの影響による貸倒引当金の計上などにより与信関係費用が大幅に悪化し、経常利益は8.3%、当期純利益は39.5%の減少。

 

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 各キャッシュフローについては上記の通り。2013~2015年は営業キャッシュフローがマイナスに。これは主に預け金の減少や貸出金の減少が関与しているとみられます。

 

 投資キャッシュフローは2011,2012,2018~2020年は有価証券の取得による支出などによりマイナスですが2013~2017年はプラスに。2013年のプラス要因は有価証券の償還による収入、有形固定資産の売却にによる収入、事業譲受、事業譲渡による収入など、

 

 2014年は有価証券の償還による収入、金銭の信託の減少による収入、有形固定資産売却による収入など、2015年は有価証券の売却による収入連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入など、

 

 2016年は金銭の信託の減少による収入、有価証券の売却による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入など、2017年は無形固定資産の売却による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入などがプラス要因として考えられます。

 

 財務キャッシュフローは2011年から2020年まで一貫してマイナスで推移。これは劣後特約付借入金の返済による支出や劣後特約付社債及び新株予約権社債の償還による支出、配当金の支払いなどが要因として挙げられると思います。

 

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 配当金は連続ではないものの、増配傾向にあり、配当性向もコロナの影響で大幅な減益となった2020年を除けば20~30%前後で推移。今後の増配も期待できるかもしれません。