ミカゲの経済日記

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メガバンクの第三四半期決算まとめ 【MUFG、SMBC、みずほ】

2月初旬にメガバンク3社の2021年3月期第3四半期決算が発表されました。各社の業績が2020年度決算と比べてどのように推移しているのか、グラフを基に見ていきたいと思います。まずメガバンク3社の第3四半期決算一覧から。

 

f:id:mikageruge:20210212171714p:plain経常収益は三菱UFJが圧倒的に抜きんでており、みずほとは2倍近くの差があります。経常利益は三井住友の1.4倍、みずほの1.8倍、純利益は三井住友の1.39倍、みずほの1.7倍となっています。経常利益率、純利益率の観点では三菱UFJが経常利益率18.7%、純利益率13.5%、三井住友が経常利益率20.5%、純利益率14.9%、みずほが経常利益率19.4%、純利益率15.3%でした。

 

単純な数字の大きさでは三菱がトップですが、経常利益率では三井住友、純利益率ではみずほに軍配が上がる結果となりました。次は各社別にこれまでの第1~3四半期の推移を前年度と比較してみていきたいと思います。最初は三菱から。

 

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2021年度第3四半期の純利益を除いて、収益、利益共に前年度と比べて減少していることが分かります。2020年4月~6月の第1四半期では経常収益は前年比5.8%の減少と軽微であるのに対し、経常利益は38.4%減、純利益は52.9%減と経常利益、純利益ともに大きく減少していることが分かります。

 

4~9月の第2四半期でも経常収益12.3%減、経常利益25.4%減、純利益34.0%減と減収減益が続きます。4~12月の第3四半期では経常収益が15.3%減と減少幅が大きくなったのに対し、経常利益は22.7%減、純利益は3%増と第1、2四半期よりも純利益に関しては回復傾向にあるという結果になりました。ただ一時的な増益の可能性もあります。続いては三井住友。

 

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三井住友も、第1~3四半期において減収減益となっています。第1四半期では経常収益前年比16.2%減、経常利益54.8%減、純利益60.1%減と、三菱UFJ以上の規模での減収減益が起こっていることが分かります。第2四半期でも経常収益17.0%減、経常利益38.0%減、純利益37.5%減と依然として大きく減収減益。

 

そして第3四半期では経常収益16.8%減、経常利益26.7%減、純利益29.0%減と、三菱UFJの様に純利益が増益に転じることもなく終始減収減益が続く苦しい状況となっています。そして最後はみずほ。

 

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みずほの第1四半期は経常収益が前年比15.4%減、経常利益20.2%減、純利益24.6%減という結果となっています。三菱や三井住友のような50%以上の減益とはなっていませんが、減収減益であることは共通しています。続く第2四半期は経常収益20.6%減、経常利益32.5%減、純利益25.0%減と減収減益幅が悪化。

 

そして第3四半期では経常収益21.6%減、経常利益20.0%減、純利益12.2%減と利益に関してはわずかながらに減益幅が改善するといった状態となりました。現時点では三井住友が最も業績が悪化しており、その次にみずほ、三菱UFJという結果となりました。

 

どのメガバンクも与信費用の増加をはじめ、金利低下や資産運用の窓口販売、個人消費に伴うカード決済などが大きく減少したことのあおりを受けており、また新型コロナウイルスの影響長期化によって見通しが悪くなっており、今後も厳しい状況が続くとしています。

 

減収減益で苦しい状況のメガバンクですが、そんな中でもメガバンク3社全ての純利益はすでに年度目標としていた数値に到達済みであることからみても、各社の大きな減収減益は想定内の出来事であるのではないかとみることもできます。また配当に関しても3社とも減配することなく配当を維持していることからも、株主還元に対する積極性も見て取れます。

 

通期決算でどのような結果となるのか、メガバンクの動向に注目していきたいと思います。